AIで書いた記事はAmazonアソシエイトで使えるか|開示表記が必須と聞いて不安な人へ

AI記事作成ツールで書いた記事を、Amazonアソシエイトのブログに載せようとしていると、こんな話に行き当たることがあります。「Amazonアソシエイト規約改定でAI表記が必須になった」。
Amazonアソシエイト・プログラムの運営規約、プログラム・ポリシー、そして規約改定履歴という、誰でも読める3つの公式ページを確認したところ、AIで書いたことの開示を求める条項は見当たりませんでした。
ただし、これで「表記は要らない」と言い切ることはできません。個人ブログをたどっていくと、根拠にしているのはこの3ページではなく、Amazonアソシエイトに登録した人だけに届くメールと、ログインしないと読めないFAQらしいことが分かりました。そのメールとFAQの中身は、この記事では確認できていません。
根拠にしたのは、Amazonアソシエイト・プログラムの運営規約、プログラム・ポリシー、規約改定履歴の比較ページという3つの公式ページだけです。個人ブログの解説は根拠にしていません。筆者はAmazonアソシエイト・プログラムの担当者でも法律の専門家でもなく、公式に公開されている情報のみをもとに書いています。
今日できることは2つです。1つは、Amazonアソシエイト・プログラム・ポリシーのページを開いて「AI」を検索すること(0件になります。理由は本文で書きます)。もう1つは、自分のAmazonアソシエイトのアカウントに届いているメールと、ログイン後のヘルプを確認することです。この記事が確認できたのは前者だけで、後者はログイン権限が無いため確認できていません。この記事の残りは、その材料です。
この記事で分かること
- 個人のブログ2件が「AI利用の開示表記が必須になった」と書いていること
- 運営規約・プログラム・ポリシー・改定履歴という3つの公式ページを確認した範囲では、AIで書いたことの開示を求める条項は見当たらなかったこと
- 見つかったAI関連条項は2件だけで、どちらも「Amazon側のプログラム・コンテンツをAIに使わせない」という逆方向の条項だったこと
- AI関連の改定は、個人ブログの言う2026年4月20日ではなく2025年11月27日(と、その前身の2024年3月1日)だったこと
- 2件のブログの根拠をたどると、公開ページではなく、登録者だけに届くメールとFAQらしいこと。うち1件は著者自身がコメント欄で「規約の改定ではなくFAQだった」と訂正していること
個人ブログが言っている「AI表記が必須」という主張
Amazonアソシエイトのブログ運営について検索すると、AI表記を扱った個人ブログが見つかります。そのうち「芹沢温泉」(serisawa2021.com)と「Webメディアチャレンジ」(webmc.jp)という2つのブログが、AIを使って記事を書いたことを開示するのが必須になったという主張を書いています。
webmc.jpは、根拠をこう書いています。
Q: AIを使ってコンテンツを作成することはできますか?
A: 可能ですが、AIまたは機械学習を用いて作成したコンテンツには、「AIにより作成」等の適切な表示を明記する必要があります。webmc.jp「【速報】Amazonアソシエイト規約改定」が出典として明記する「Amazonアソシエイト・プログラム公式メール『運営規約の改定について』(2026年4月15日配信)」より/2026年8月31日確認
出典として挙げられているのは、規約のページではなく「メール」です。芹沢温泉の記事も、タイトルの目次に「AIコンテンツは『明示が必須』に」を、実際にあった規約改定(有料広告の報酬なし化・180日ルール)と同じ「規約改定について」の見出しの下に並べています。
ただし、この記事の著者自身が、コメント欄で訂正しています。読者から「4月20日付けの規約変更では、生成AIについては触れていないように見えます。よくある質問の部分は、規約変更とは関係ないのでは」と聞かれ、こう答えています。
ご指摘の通り、AI表記については「よくある質問」に含まれているもので、規約変更の一部と解釈しているということではありません。
芹沢温泉(serisawa2021.com)コメント欄・著者本人の返信(2026年5月7日)/2026年8月31日確認
つまり、AI表記の話は「規約が変わった」のではなく、「よくある質問(FAQ)」か、それに類するメールの中身のようです。具体的な指摘先を追及することが、この記事の目的ではありません。自分のブログに開示表記が要るのかどうか分からず、不安になっている人がいるという状況のほうが重要です。Amazonが自分の言葉で何を定めているのか、まず誰でも読める公式ページを確認しました。
運営規約とポリシーに、AI表記を求める条項はあるか
運営規約、プログラム・ポリシー、規約改定履歴の比較ページという3つの公式ページを開き、全文を「AI」「生成AI」「機械学習」という語で確認しました。確認できた範囲では、AIで書いた記事だと開示するよう求める条項は見当たりませんでした。
| 文書 | URL |
|---|---|
| アソシエイト・プログラム運営規約 | affiliate.amazon.co.jp/help/operating/agreement/ |
| アソシエイト・プログラム・ポリシー | affiliate.amazon.co.jp/help/operating/policies/ |
| 規約改定履歴(比較ページ) | affiliate.amazon.co.jp/help/operating/compare |
見当たらなかった、というだけで終わらせるつもりはありません。この3ページには、AIに関わる条項が実際に2つあります。ただし方向が逆でした。次の節で、その2つを原文のまま引きます。
見つかった2つのAI関連条項|どちらも方向が逆
見つかったAI関連の条項は2件です。どちらもアソシエイト・プログラム・ポリシーのページにあり、運営規約のページには載っていません。「AI」「生成AI」「機械学習」で運営規約のページを検索しても1件も出ません。方向はどちらも「Amazon側のプログラム・コンテンツをAIに使わせない」で、「AIで書いた記事だと開示しろ」という方向ではありません。
条項1|生成AIモデルへの流用禁止
プログラム・ポリシーには、プログラム・コンテンツ(Amazonが提供する商品画像や説明文などのデータ)や特別リンク(アフィリエイトリンク)を使ってよい媒体を定めた条項があります。使ってはいけない媒体が(a)から(c)まで列挙されていて、生成AIに触れているのは(c)だけです。(a)と(b)の内容はAmazonの公式ページでご確認ください。ここでは(c)を含む一文を引きます。
乙は、以下の媒体上で、またはそれに関連して、プログラム・コンテンツもしくは特別リンクを使用、またはアマゾン・サイトにリンクさせてはなりません。…(c) 生成AIモデルまたは生成AIモデルに実装されたサードパーティプラグインであるソフトウェアその他のアプリケーション。
Amazonアソシエイト・プログラム・ポリシー/2026年8月31日確認
簡単に言うと、生成AIモデルのソフトウェアやAIチャットボットのプラグインの中で、Amazonの商品情報やアフィリエイトリンクを使うことを禁じた条項です。記事を書く道具としてAIを使うこと自体を制限するものではありません。
条項2|AI生成コンテンツを機械学習に使うことの禁止
もう1つの条項は、知的財産権を扱った条文の中にあり、対象はプログラム・コンテンツから作ったAI生成コンテンツです。
乙は、プログラム・コンテンツを使用して、知的財産権その他法的権利を侵害又は不正利用することはできません。乙は、プログラム・コンテンツから作成したAI生成コンテンツを直接的または間接的に大規模言語モデル、マルチモーダルモデル、機械学習モデルまたは関連技術を開発または改善するために使用しないものとし、また、第三者をしてこれを行わせないものとします。
Amazonアソシエイト・プログラム・ポリシー/2026年8月31日確認
こちらも方向は同じです。Amazonのプログラム・コンテンツ(商品情報や画像など)から作ったAI生成コンテンツを、大規模言語モデルなどの学習に使わせてはいけない、という条項です。あなたが記事を書く道具としてAIを使うことを禁じたものではありません。
2件とも、対象は「Amazon側のコンテンツをAIにどう使わせないか」です。読者に向けて「AIで書いた」と表記させる条項ではありません。
改定履歴を日付で確認する|4月20日には無い
改定履歴の比較ページを日付順に確認すると、AI関連の改定は2025年11月27日と2024年3月1日の2回です。個人ブログが挙げている2026年4月20日の項目には、AIに関する記載は見当たりません。
新たにCreators APIを導入するため、本ライセンスの定めを変更しました。本改定には、自動化されたソフトウェアインタラクションに関する新しいエージェント規約、技術仕様の改定およびプログラムコンテンツでのAI生成コンテンツと機械学習モデルの使用に関する追加のガイドラインが含まれます。
Amazonアソシエイト・プログラム 規約改定履歴(比較ページ)「2025年11月27日付」/2026年8月31日確認
上で引いた2条項は、この改定で追加されたものと見られます。さらに前身となる改定も見つかりました。
参加要件第5条について文言を修正し、プログラム・コンテンツ及び特別リンクを生成AIに関連して使用することができないことを規定しました。
Amazonアソシエイト・プログラム 規約改定履歴(比較ページ)「2024年3月1日付」/2026年8月31日確認
いまある2つのAI関連条項は、この2024年3月1日と2025年11月27日の改定にさかのぼります。個人ブログが名指ししている2026年4月20日の改定とは、時期が違います。なお2024年3月1日には、もう1件AI関連の改定がありました(PA API=Amazonの商品データを取得する仕組みを、機械学習モデルに使うことを禁じるもの)。方向は同じ「Amazon側のデータをAIに使わせない」なので、結論には影響しません。
2026年4月20日の改定で実際に変わったこと
確認した範囲では、2026年4月20日の改定履歴に、AIも生成AIも機械学習も見当たりません。書かれているのは、適格販売の180日要件、有料広告の不適格化、そして第三者コンテンツの加工要件の3点です。このほかにも項目はありますが、AIに関わるものは見当たりませんでした。
3つ目の「第三者のコンテンツを用いる場合、これに対する解説、分析または改変を含める必要がある」は、他人のコンテンツ(商品の説明文や画像など)をそのまま載せず、自分の解説・分析・改変を加えなさい、という要件です。ここにも「AIを使ったかどうかを開示する」という要求は書かれていません。「解説、分析または改変」は加える中身についての要件であって、その中身をどう作ったか(AIか自分の手か)を明かせという要件ではありません。この一文とAI表記を結びつける読み方も検討しましたが、次の節に書く理由でその可能性は低いと判断しました。
出どころは、登録者向けの案内だった可能性が高い
前の節で見たとおり、webmc.jpが根拠として挙げているのは規約のページではなく「メール」で、芹沢温泉の著者本人も「規約変更ではなくFAQだった」とコメント欄で訂正しています。この2つを合わせると、AI表記の話は公開されている規約のどこかではなく、Amazonアソシエイトに登録した人だけに届く案内から出ている可能性が高いと考えられます。
もう1つ、独立した裏付けがあります。同じ話題を扱う別サイト(ai.mixhost.jp)が、こう書いています。
本記事内のAI表示に関する説明は、公開されている規約改定ページに加え、Amazonアソシエイト参加者向けに配信された案内内容も参考にしています。なお、参加者向けFAQの全文は、記事執筆時点では一般公開ページでは確認できないため、本記事では要旨を紹介しています。
ai.mixhost.jp/2026年8月31日確認
3つのサイトが独立に、同じ形(登録者限定のメールまたはFAQ)を指しています。この記事が確認した運営規約・プログラム・ポリシー・改定履歴の3ページは、どれもログインしなくても読める公開ページです。Amazonアソシエイト・プログラムのヘルプページ一覧(公開されている31件)を確認しても、AIに関する項目は見当たりませんでした。登録者限定のFAQやメールは、この記事のログイン権限では確認できません。
つまり、公開ページに開示条項が無いことは事実ですが、それは「表記が不要」を意味しません。登録者向けの案内という、確認できていない場所に答えがある可能性が残っています。
まとめ|今日確かめられること
AIで書いた記事をAmazonアソシエイトで使ってよいかどうかは、この記事だけでは決まりません。誰でも読める3つの公式ページには、開示を求める条項は見当たりませんでした。見つかった2条項が定めているのは、Amazon側のコンテンツをAIに使わせない、という逆方向のことです。ただし、個人ブログの根拠をたどると、登録者向けのメール・FAQという、この記事では確認できていない場所に行き着きました。
今日できることは3つです。
- 自分のAmazonアソシエイトのアカウントに、登録メールアドレス宛のメールと、ログイン後のヘルプ・FAQを確認する。この記事が確認できなかった場所で、いちばん答えに近いのはここです
- プログラム・ポリシーのページを開いて、自分で「AI」を検索する。公開ページの側は、この記事と同じ結果(Amazon側コンテンツの利用禁止2件のみ)になることを自分の目で確かめられます
- 迷ったら、表記を入れておく。開示表記を入れて損をする場面は考えにくく、登録者向けの案内が実在するなら、入れておくほうが安全側です
規約は「開示するかどうか」ではなく「何をどう使わせないか」で書かれています。読み違えて表記を足すより、実際に書かれている禁止事項のほうを確認してください。
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